早生まれについて思うこと
早生まれについて思うこと
早生まれについて、考える機会が最近あったので、まとめようと思います。
早生まれについて、どんな印象を持っていますか?
私は、早生まれについて
「4月に生まれた子と3月に生まれた子だと約1年間の違いが出るから、子供のときは大変だけど大人になったら、1年の差なんて誤差だな。」
と思っていました。
昔を思い返すと足が速かった子は早生まれが多かったような・・・、それくらいです(出席番号が誕生日順の小学校でした)。私の知人の頭の良い人も2〜3月生まれの子も何人か居て、関係ないだろうな〜と思っていました。
ですが、以前紹介した「武器になる哲学」の本の中に”マタイ効果”について書かれていて、少し考えが変わりました。
まず一橋大学の准教授の調査が書かれています。
一橋大学の川口大司准教授が、国際学力テスト「国際数学・理科教育動向調査」の結果を分析したところ、4~6月生まれの子の学力は他の時期に生まれた子よりも相対的に高いことが明らかになっています。ここでは詳細な説明は割愛しますが、川口准教授によると、日本の中学2年生(約9500人)と小学4年生(約5000人)の数学と理科の平均偏差値を生まれ月ごとに算出した結果、4月から順に月を下って3月まで、奇麗に平均偏差値が下がること、4月〜6月生まれの平均偏差値と1月〜3月生まれの平均偏差値とでは、およそ5~7程度の差があること等がわかっています。
確かに、1年違いで差がつくのは想像がつく気はするのですが・・・。
中学2年生といえば14歳ということですから、誕生以来の累積学習月数は、4月生まれであれば168ヶ月、3月生まれであれば157ヶ月ということでその差分は7%弱にしかなりません。この差が、平均偏差値であれだけ差分につながるというのは学習理論の枠組みでは説明できません。
学習時間にすると7%差がないのに、偏差値でいうと5~7というのは確かに、大きな差に感じますね。
この差については、これは「マタイ効果」というメカニズムによって説明できると考えられているそうです。
この差異は、科学社会学における「マタイ効果」によって説明できると考えられています。科学社会学の創始者であるロバート・マートンは、条件に恵まれた研究者は優れた業績を挙げることでさらに条件に恵まれる、という「利益ー優位性の累積」のメカニズムの存在を指摘しています。マートンは、新約聖書のマタイの福音書の文言「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」という一節から借用してこのメカニズムを「マタイ効果」と命名しました。
確かに、この効果はあるな、と思い当たる節はありませんか?
「優秀だ」と周囲から認められると、仕事が舞い込んでくる経験、もしくはそのような人を見た経験はありませんか?
言われてみれば、4月生まれの時点で、他の子供よりは早く生まれている分、
発達が早く、同じ学年でも
・経験させてもらえる数が多いことによって、能力が上がる。
・能力が上がることによって、さらに経験を色々とさせてもらう。
の繰り返しになりそうですね。
上記の本を読んだ上で、最近のニュースでパックンが幼稚園をダブっていたという記事を読んで、マタイ効果というのはどうやら起きていそうだ、と思うようになりました。
パックンが幼稚園をダブっていたことによって、周囲より1年間年上になり、
1学年年上のことによって、他の子よりも優秀になり機会が恵まれていた可能性はありそうですね。(ご本人がもともと優秀で努力をされていたことも勿論ですが・・・。)
最近9月入学が話題になっていますね。
9月入学になると、9月2日生まれ〜翌年9月1日生まれが同じ学年ということになりますね。
早生まれの日付が変わりますね。
赤ちゃんや幼稚園のお子さんを持つ親御さんは、このニュース、気にする方は気にしますよね。。
ただ、全体を通して早生まれについての私なりの解釈ですが、早生まれといえど遅生まれといえど、成功体験がさらに成功体験を生むということだと思うので、遅生まれだったとしても成功体験を繰り返し与えて自信・経験をつけさせてあげれば、大人になった時には変わりないんじゃないかな〜、、と思います。
以上、早生まれについてまとめてみました。